ケトジェニックダイエット中の食事方法は?食材選びや注意点もわかりやすく解説
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ダイエットにはさまざまな手法がありますが、中でも効果的に痩せられると注目を集めているのがケトジェニックダイエットです。ケトジェニックダイエットは食事の糖質を減らし、代わりに脂質を摂取する食事法です。体内のエネルギー源として脂質が利用されるようになるため、効率的に脂肪を燃焼でき、減量につながります。
本記事ではケトジェニックダイエットの基礎知識、実践方法や食材選びを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
1.ケトジェニックダイエットとは?
ケトジェニックダイエットは糖質を極端に減らし、代わりに脂質を増やす食事法です。近年、短期間で効率よく痩せられる方法として注目を集めています。ケトジェニックやケトン体という言葉は聞いたことがあっても、詳しい意味までは分からない人もいるかもしれません。まずはケトジェニックとケトン体の関係、糖質制限・カロリー制限との違いを解説します。
・ケトジェニックとケトン体の関係
ケトジェニックとは体内でケトン体が増えている状態です。ケトン体とは脂肪から作られる物質で、エネルギー源として利用できます。ケトジェニックとケトン体は、どちらもケトジェニックダイエットには欠かせないポイントです。
通常人間の体でエネルギー源として使われるのは、糖質から取り出されたブドウ糖です。しかし、糖質が不足すると、体内では代わりのエネルギー源としてケトン体を作り出すため、脂肪が分解されます。ケトジェニックダイエットでは食事の糖質を抑え、脂質を多く摂取して体内のケトン体を意識的に増やします。
ケトジェニックダイエットで実践される低糖質・高脂質の食事は、疾患の治療のため医療現場でも用いられていました。エネルギー源として糖質を利用するより、ケトン体を利用する方が多くの酸素を消費するため、体が燃焼傾向となり効率的に減量できます。
・糖質制限・カロリー制限との違い
糖質制限やカロリー制限はケトジェニックダイエットと似ている点もあり、混同しやすいかもしれません。ケトジェニックダイエットは食事の糖質を減らすため、糖質制限の一種といえます。ただし、糖質制限は糖質の摂取量を減らすだけなのに対し、ケトジェニックダイエットは食事全体のバランスを重視する点で異なります。ケトジェニックダイエットでは糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素を意識し、バランスを考えた食事内容にしなくてはなりません。
また、一般的にダイエットではカロリー制限が必要とされるイメージがあるでしょう。一方、ケトジェニックダイエットではカロリーを抑える必要がありません。脂質をエネルギー源とするケトジェニックダイエットの食事では、必要なカロリーを摂取することが重要です。
2.効果を高めるケトジェニックダイエットの実践方法
効果を高めるケトジェニックダイエットの実践方法は以下の通りです。
- 1日に必要なエネルギーを計算する
- 適度な運動を取り入れる
- 停滞期の食事を工夫する
それぞれ詳しく解説します。
・1日に必要なエネルギーを計算する
ケトジェニックダイエットを実践するなら、まずは自分にとって1日に必要なエネルギーを計算しましょう。一般的に1日当たりの適正摂取カロリーは女性で2,000kcal、男性なら2,400kcalとされています。適正摂取カロリーから考えられる、朝・昼・晩・間食で摂取すべきカロリーは以下の通りです。
【時間帯別・必要なカロリーの目安】
- |
朝 |
昼 |
夜 |
間食 |
女性 (計2,000kcal) |
700kcal |
600kcal |
600kcal |
100kcal |
男性 (計2,400kcal) |
800kcal |
700kcal |
700kcal |
200kcal |
摂取すべきカロリーを食事内容に反映させるには、カロリーを栄養別にグラム変換する必要があります。ケトジェニックダイエットの食事ではタンパク質:脂質:炭水化物を「3:6:1」の比率で摂取すべきとされます。女性で2,000kcalを摂取するならタンパク質600kcal、脂質1,200kcal、炭水化物200kcalが必要です。男性で2,400kcalを摂取するならタンパク質720kcal、脂質1,440kcal、炭水化物240kcalとなります。
1g当たりのカロリーはタンパク質で4kcal、脂質は9kcal、炭水化物は4kcalです。つまり、女性で2,000kcalを摂取するならタンパク質150g、脂質133g、炭水化物50gを摂取する必要があります。男性で2,400kcalを摂取するならタンパク質180g、脂質160g、炭水化物60gです。以下の表にまとめました。
【1日に必要な三大栄養素】
|
タンパク質 |
脂質 |
炭水化物 |
女性 |
150g |
133g |
50g |
男性 |
180g |
160g |
60g |
お茶碗1杯のご飯は約150gなので、炭水化物50〜60gなら厳しく糖質を抑える必要があるとイメージできるでしょう。
・適度な運動を取り入れる
ケトジェニックダイエットでは、食事のバランスを意識するだけでなく、適度な運動を取り入れる必要があります。例えば有酸素運動を取り入れると体脂肪をエネルギーに変換でき、より効率的にダイエットを進められます。ケトジェニックダイエット中は筋肉が落ちやすくなるため、無酸素運動(筋トレ)をすると良いでしょう。
ただし、無理に運動するとかえってダイエットに失敗してしまう原因となります。ケトジェニックダイエットは短期間での効率的な減量を目指すため、たとえ激しい運動をしなくても筋肉が大幅に減る心配はないでしょう。運動にこだわりすぎず、体調を考慮しながら運動を取り入れてください。運動量の目安は以下の通りです。
【適度な運動の目安】
対象 |
有酸素運動 |
無酸素運動(筋トレ) |
成人女性 |
20~30分程度 |
20~30分程度 |
成人男性 |
20~30分程度 |
30~40分程度 |
無酸素運動の後で有酸素運動を実施すると、よりエネルギー代謝を効率的に促せるといわれています。
・停滞期の食事を工夫する
ダイエットの停滞期とは、順調に減っていた体重が落ちなくなってしまう時期のことです。カロリー制限によるダイエットでは、停滞期への対策としてチートデイを設ける場合があります。ケトジェニックダイエットでは厳しい食事制限が課されるため、どうしても糖質が多い食べ物を食べたくなる場合があるかもしれません。しかし、ケトジェニックダイエットでは停滞期であっても、チートデイを設けることは推奨されていません。
そのため、ケトジェニックダイエットを継続してやり切るためには、チートデイを設けずに工夫して乗り切る必要があります。実際に効果があった工夫の方法を知るなら、同じくケトジェニックダイエットを実践している人の成功体験や口コミを参考にしてみてください。インターネット上で公開されているケトジェニックダイエットに適したレシピも役に立ちます。
3.ケトジェニックダイエットのメリット・デメリット
メリットが多いケトジェニックダイエットですが、一方でデメリットもある点には注意が必要です。ケトジェニックダイエットのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
・メリット
ケトジェニックダイエットの主なメリットは以下の通りです。
- 短期間で効率的に減量可能
- ハードなトレーニングが必要ない
- 食事の満足感を得やすい
ケトジェニックダイエットの大きなメリットは短期間で効率的に減量できる点です。時間をかけずに痩せたい場合や、急いで痩せなければならない場合に役立つでしょう。また、ハードなトレーニングが求められないため、事情があって運動ができない人やスポーツが苦手な人でも実践できます。ただし、健康のため適度な運動は取り入れてください。
ケトジェニックダイエットでは糖質の制限は必要ですが、カロリー制限をする必要がありません。食事で脂質を摂取でき、満足感を得やすい点もメリットです。ケトジェニックダイエットなら、食べてもよい食材を把握しておけば外食も可能です。
・デメリット
ケトジェニックダイエットの主なデメリットは以下の通りです。
- 体臭・口臭が気になる場合がある
- 胃もたれを起こす場合がある
ケトジェニックダイエットを実践していると、ケトン体が原因で体臭や口臭が酸っぱいような匂いになる場合があります。とはいえ、体臭・口臭の変化は個人差があり、特に変わらない人も少なくありません。体臭や口臭が気になるのはケトジェニックダイエットをしている間だけなので、期間限定で生じる症状だと考えれば良いでしょう。
また、ケトジェニックダイエットでは脂質を多く摂取するため、胃もたれが生じる場合もあります。食事内容に慣れれば胃もたれは治まる傾向です。胃もたれが気になるなら、脂質の中でも消化が早い中鎖脂肪酸を多く摂り、脂質が胃に止まらないよう工夫してみてください。
4.ケトジェニックダイエット食材の選び方
ケトジェニックダイエット食材の選び方として、おすすめの食材・避けた方がいい食材をそれぞれ詳しく紹介します。
・おすすめの食材
ケトジェニックダイエット中におすすめの食材は以下の通りです。
- 肉
- 魚介類
- 卵
- 乳製品
- 油
- 大豆製品
- ナッツ類
- 糖質が少ない野菜
ケトジェニックダイエットでは肉や魚介類、乳製品などの動物性食品を食べ、脂質やタンパク質を積極的に摂取しましょう。大豆製品やナッツ類などもタンパク質や脂質が豊富です。カロリー制限によるダイエットとは異なり、油の摂取も推奨されます。
野菜は種類によっては糖質を多く含んでいます。ケトジェニックダイエット中は食べてもよい野菜をしっかり把握しておいてください。おすすめの野菜は以下の通りです。
- 葉野菜
- トマト
- ピーマン
- タマネギ
- ブロッコリー
- ズッキーニ
- オリーブ
- アボカド
- キノコ類
他には、おやつとして少量の果物を食べても構いません。飲み物は無糖のものを選んでください。
・避けた方がいい食材
ケトジェニックダイエット中に避けた方がいい食材は以下の通りです。
- ご飯
- パン
- パスタ
- うどん
- オートミール
- 豆類
- 甘味料
- 酒類
ご飯やパン、パスタ、うどん、オートミールなどの炭水化物はケトジェニックダイエット中はできるだけ控えましょう。炭水化物を摂取する場合は、上記で紹介したエネルギー計算を元に、50g以下に抑えてください。
えんどう豆やひよこ豆など、大豆以外の豆類には糖質が多く含まれているものもあるため、ケトジェニックダイエット中は避けましょう。砂糖を含む甘味料全般も摂取を控える必要があります。ビールや甘口のワインなどは糖質が多く含まれています。一方、ウイスキーや辛口のワインなど、糖質があまり含まれない酒類なら飲んでも問題ありません。ただし、適量を心がけてください。
5.ケトジェニックダイエットの注意点
ケトジェニックダイエットの主な注意点は以下の通りです。
- 長期間続けないようにする
- 食物繊維を積極的に摂取する
- 良質な脂質の摂取を心がける
それぞれ詳しく解説します。
・長期間続けないようにする
ケトジェニックダイエットを始めても長期間は続けないことが重要です。厳しい食事制限が必要となるケトジェニックダイエットは、あくまでも一時的に実施する食事法と考えておいてください。必要以上に長くケトジェニックダイエットを継続すると、代謝低下や筋肉量の減少を引き起こすリスクがあります。
ケトジェニックダイエットを実施する期間の目安は2〜3カ月です。実施期間が過ぎた後はカロリー制限や通常の糖質制限によるダイエットに切り替えましょう。ケトジェニックダイエットは短期間で集中して取り組むよう心がけてください。
また、ケトジェニックダイエットは体質による向き不向きが大きいため、数日間試してみて体調が悪くなるようなら中断する必要があります。自分の体調を考慮しながら、慎重に進めることが重要です。
・食物繊維を積極的に摂取する
ケトジェニックダイエット中は、食物繊維を積極的に摂取する必要があります。食物繊維とは食品に含まれる、人間の消化酵素で分解されない成分の総称です。食物繊維には整腸作用や血糖値を抑制する働きなどがあるとされています。食物繊維を摂取するには葉野菜やキノコ類、海藻を積極的に食事に取り入れましょう。
食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は野菜や果物、海藻などに、不溶性食物繊維は穀類やキノコ類などに多く含まれています。どちらも健康維持に重要となるため、両方の摂取が必要です。
ケトジェニックダイエット中に限らず、食物繊維が不足すると健康にさまざまな悪影響を与えます。例えば、食物繊維が足りていないと腸内環境が悪化し、便秘を引き起こす原因となります。血糖値が上がりやすくなり、糖尿病をはじめとする生活習慣病のリスクも高まるでしょう。
・良質な脂質の摂取を心がける
前述したように、ケトジェニックダイエット中は脂質をしっかりと摂ることがポイントです。特に良質な脂質を摂取するよう心がけてください。脂質には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類がありますが、良質な脂質としては不飽和脂肪酸が当てはまります。
飽和脂肪酸は肉や乳製品に多く含まれています。摂りすぎると動脈硬化をはじめとする生活習慣病の原因となるため注意が必要です。不飽和脂肪酸は植物や魚に多く含まれています。動脈硬化や血栓の防止、血中コレステロールを下げる作用などが期待できます。
ケトジェニックダイエット中は良質な脂質を摂取するために、オリーブ油やココナッツオイルなどの植物油、魚を積極的に取り入れましょう。
6.まとめ
ケトジェニックダイエットでは食材選びや食事の方法が大切です。しかし、糖質を厳しく制限しているとストレスがたまってしまう場合もあります。ケトジェニックダイエットを継続するポイントは適度な間食による息抜きです。
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